◇最終！西独Isophon製・大型楕円（20X31)アルニコフルレンジ　31㎜厚エンクロージャーに搭載　宇宙人が作ったのか？

　宇宙人が作ったのか？と言わしめるほどの、不思議な表現力・説得力を持つ、50年代の西独Isophonの大型楕円ユニット。TELEFUNKEN等にＯＥＭ提供していただけあって、ハイレベルの製品。現代では作れない貴重品。20X31の大型楕円も珍しい。せっかくの西独ビンテージユニットを最大限生かすために、大型のエンクロージャーに収めようと悪戦苦闘！オーディオとは縁のない、近所の腕の確かな大工さんが作ったような、31㎜厚の武骨なつくりのエンクロージャーは、16ｃｍフルレンジ2発用に自作されもの。一度は開口部を細工してしたが、バッフル面の見た目が悪いので、バッフル板を廃棄して、新しいバッフル板を製作してもらい、パンチングメタルのカバーを取り付けた。すべてが、なんの計算もなく、素人の浅知恵でまとめたものだが、「偶然の悪戯」とでもいべきか、想像以上の結果いなった。うれしい悲鳴だ。ドイツの中小型フルレンジを推奨する井上春樹氏は著書「6万円で創る究極の音」で「ジャーマンビンテージスピーカーは宇宙人が作ったのか？」と述懐しておられるが、まさしくこの音を聴いた時の驚きそのものである。　La Foria（The Cleveland Orc.）の繊細な響きやCantate Mominoの金管、合唱、オルガン曲も無難に再現してくれる。ジャズはお手の物で、NEC A-10ⅲで鳴らすと、TANNOY DEVONと同じボリュウムでも2倍ほどに感じるくらいだ。この能率のよさなら、小出力のアンプでも十分に実力を発揮してくれるだろう。コーン紙が優れているので高域が明瞭なので、85歳の耳にも歌詞がはっきり聞こえてありがたい。歯切れのよい中高域に比べて重低音はTANNNOYには及ばないものの、引き締まった弾んだ低音が不足分をカバーしているように思える。同じIsophoｎｍの（15ⅹ26）と聴き比べてみる（こちらも日本製の同程度のエンクロージャーに入れたもの）、後方や上方向に漂うのに対して、本品はあくまでも聴き手に向かって真っすぐに突き進んでくるという対照的な鳴り方をする。これは分厚いエンクロージャーの効果かもしれない。NECアンプのスピーカーA,Bにこれらのスピーカーを接続して同時に鳴らしてみると、同一のメーカーだからなのか、歪みもなく、双方の音の方向が補い合っているようで、何とも言えない充実感を味わうことができた。ALTEC、JBL、TELEFUNKENN、TANNOY等をムサボリ、失敗だらけのオーデイオ遍歴を繰り返してきたが、振り返ってみると、自分は単に音を聞いていただけだったのではないか、楽音を愉しんで来なかったのではないかと、自問するこの頃である。そして、本当のオーデイオファンになれたと思った矢先に、環境の激変に見舞われ、多くのモノたちと別れを告げることとなり、とうとう私のオーデイオ遍歴は失敗のまま幕を閉じることとなった。それもまたいい思い出となっている。楕円スピーカーに違和感を感じる方がおられると思うが、決して裏切るとはないと思う。ぜひお試しいただきたい。サイズ：約30㎝（縦）ｘ40㎝（横）ｘ5５㎝（高さ）　　重さ：約18㎏＜配送＞ヤマト宅急便　2個口